あの日の朱雀



「これって…」



「内緒にしててごめんな?びっくりさせてやろうと思って…」




そう言って、朱雀さんは頭を掻いた。




「夕空。」




と、思ったら。



今度は真剣な目で私を見る。




「今まで色んな事…あったけどさ。」




うつむいてしまう朱雀さん。




「泣いてんじゃねぇよ!!兄貴!!」




朱音君の声…




「っるせー…」




鼻声の朱雀さん。




「俺…もう夕空以外好きになれない…から…」









「ずっと…幸せにするよ。」




照明が暗くなる。















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