あの日の朱雀



「…えっ…」




目の前がきれいに見える。



あ…



なんで気がつかなかったんだろ…



さっき桂馬君が私の頭の上にのせたの…



ウエディングベール…?




「なぁ夕空。」




目の前には、朱雀さんの優しい顔。




「そんなの、全部知ってるよ。」




そう言って、私のおでこにデコピンをした。




「いた…」




私はおでこをおさえ、涙を拭った。

















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