あの日の朱雀
「俺…昔結構バカやっててさ…」
ゆっくりと歩きながら、朱雀さんが話しはじめた。
「ケンカもそこそこ強かったんだよ。でさ、この辺では”紅”って結構有名なんだ。」
朱雀さんは遠くを見つめていた。
「だから、おまえが俺と付き合うと…色々と迷惑をかけちゃうと思うんだ。」
「…。」
朱雀さんの家に着いた。
「続き、中で話すから。」
そう言って、玄関を開けた。
私は、朱雀さんの背中を見つめて思った。
私はいつのまにか…
この人が好きになってたんだ…。
ねぇ、神様。
これが恋ですか…?