あの日の朱雀
第6話 『お兄ちゃん』
まだ桜が残っている。
あっという間な高校生活。
そう。最後の高校生活。
「夕空!!」
聞き覚えのある元気な声。
「あたし達、同じクラスだったよ!!」
ナツだ。
「嘘!これで3年連続だね!!」
「うん!残り1年よろしくねぇ~!」
掲示板に自分の名前を探す。
”C組 井草 夕空”
C組か。
ふと目にとまった名前。
”B組 五十嵐 大地”
「…」
「どしたの?夕空。」
ナツが顔を覗きこんできた。