お菓子なカラダ。
コンコン…
北館校舎の奥にある、大きな扉を、少し遠慮がちに叩く。
「はい。…飴だろ?入れば」
扉を開けようとすると
勝手に扉が開いた。
「…走ってきたの?」
優しい笑みに頬が紅くなるが
走ってきたせいにしよう。
感情が、素直に顔に出るなんて、
本性を知られた以上、あってはならないこと。
「もうメシ食った?」
生徒会長用の大きなソファーに
足を組んで座る。
アタシは、役員用のソファーにちまっと座り、
首を横に振った。
「食べないの?」
「食欲ないから…いらない」
学校で食欲が出ることなんて
今まで経験ない。
だから、お昼ご飯はあまり食べないけど、
周りがうるさいので、周りにあわせて
少しだけでも何か口にいれるようにしている。