お菓子なカラダ。
「…悪かった、飴」
礼くんは、長い脚を曲げて
あたしの涙を指ですくう。
もうダメだと思った瞬間、あたしの
上にいた男が鈍い音と共に
居なくなった。
助けてくれたのは、
礼くんの親友だという
副会長の三科 琉己くん。
「…ルキも、悪かったな」
「別に…礼が謝る事じゃないだろ」
琉己くんは、あたしを助けてくれた後、
真っ先に礼くんに電話をかけてくれた。
男性恐怖症にならないようにと、
抱き締めたまま、ずっと
背中をさすっていてくれた。
「…大丈夫か?飴…」
あたしはというと、
まだ恐怖心が抜けなくて
体は震えっぱなしだし、
礼くんと琉己くんという
上等の美形に囲まれては、
いくら楓と椿を普段見ていても
緊張してしまう。