お菓子なカラダ。
あたしは金持ちだと思われる事が
すごく嫌だった。
お金、美貌、人徳、才能の、
全てを持ち合わせるあたしを
妬み憎む人は少なくなかった。
同級生はもちろん
その親、先輩、先生でさえも。
ほぼ女だった。だから
あたしは女の少ないこの高校に入った。
女なんて嫌いなんだ。
ただ努力もしないで
集団でいれば強いと思っているような
1人では何の価値もないような。
そんな奴らの仲間になんかされたくない。
美藤ヶ嶺に住んでいる事を
誰にも話したくなかった。
また金持ちだという偏見をもたれて
理不尽な扱いを受けるのは嫌だったから。
礼くんも琉己くんも、そんな人じゃないって
分かってた。だけど、
もしそんな事になったら
あたしは誰を信じればいいの。
だから、礼くんの言葉は、
皮肉もこもってない、
心からの感心だったから。
あたしは嬉しかった。
あたし
礼くんを信じていいんだ…