セーラー服の片想い
真由が武田君といちゃつき始めたので、仕方なく1人でクラス表を見た。

「・・あ、小西みなみ発見」

1年2組の最初の方にあった、見慣れた名前。

「うわっ、真由と武田君1組だし!」

親友とクラスが別れたうえに、その親友の彼氏が親友と一緒のクラスだなんて、腹がたつ。(悔しいとは言わない・・)


「あ!みなみ!!」

「優華じゃん!おはよー」

「みなみ、2組でしょ?あたしも2組なんだあ、よろしくね!」

「うん、よろしくー(知らなかったー)」


優華も小学校からの友達で、結構仲いいんだけどちょっと苦手。

なんか恋愛体質?だったっけ??好きな人のことで頭がいっぱいで他には目もくれない・・。

友情より愛情、ってかんじ。

優華には悪いけど、そんな可愛いとは思えないんけどなあ・・。


「ねーねー、みなみの次の出席番号の人さあ、知ってる?」

「え?次の人?」

そう言われて、改めてクラス表を見ると 10番 坂田衛 と書いてあった。

「あの、さかたまもる って人」

イラッ「(そんなの言われなくても読めるっての、馬鹿にしてんのかオラー!!)
うーん、わかんないなあ、隣の小学校の人じゃない?」

「そっかあ、あたしこの人好きかも!」

「・・・???」

今、知ってるって聞いたよね?
初対面なんじゃないの・・?

「名前が好きになりそお!!」

(えええええーーーーー!!?)

「あれ、みなみい、顔ひどいよ?」

「あ、ごめ、もともと」

(名前で好きになるか決めてる人、初めて見たあ)

この瞬間、この人とやっていけない、と心底思った。

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