セーラー服の片想い
椅子から立ち上がり、すたすたと前に歩いていく坂田衛。

まっすぐで黒くきれいな髪。
白い肌はその漆黒の髪とは対照的。
細く少しつりあがった目は眠たそうで。

第一印象は
(めっちゃ童顔・・・)
だった。

「この春のよき日に・・・」

(棒読み!!!)

何だろう、この人は・・。


ふと優華のほうを見ると、頬を赤らめてうっとりと坂田衛を見ていた。

(あちゃあ・・、ありゃ絶対惚れたな)

本当、恋愛体質なんだから。


でも、なんでだろう。

今、ものすごく糸川君に会いたい って思った。

好きな人の話とか、したからかなあ。

今頃、糸川君も入学式やってるのかなあ。


このときのあたしには、これからの波乱を知る由もなかった。


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