GAP-Girl×DJ-
「はっ?いいって別に」
「だって風邪引いて喉やられたら嫌じゃない?」
「・・・・まあそうだけど」
意外にいっちゃんはひるんだ。
シンガーは声が命、さすがのいっちゃんは「なんもしねーから!」と言って、あたしの隣に来た。
ちょっと狭いベッドの中。
ドキドキする。
寝たいからと言ってこうして寝ることになったはいいけど、こんな状況で寝れるわけがない。
いっちゃんはあたしに背を向けている。
「ねえいっちゃん・・・」
どうして話しかけたのか自分でも分からない。
”こっち向いてよ”
とでも言いたかったのだろうか。
「ん?」
「・・・なんでもない・・・」
”いっちゃん・・・好き。”
思わず声に出そうだった。
まだ知り合って間もないのに、あたしはずっと前からいっちゃんのことが好きだった気がする。
ゲロ吐き事件がきっかけで、ヤス君がきっかけで、あの日クラブに行ったことがきっかけで・・・
偶然だろうけどあたしには必然な気もする。