GAP-Girl×DJ-
―――・・・・

「はい、これでも飲んで落ち着け。」

巨大な優しい人はお茶を買ってくれた。

「ありがとう・・・。そして本っ当にごめんなさい・・・。」

「別にいーけど、・・・お前ハタチじゃねえだろ?」

「!」

思わず硬直した。
確かにあたしは嘘をついている。

本当は17歳。

「え・・・あたしハタチだよ?」


残念ながらクラブは20歳以上じゃないと入れない。

知り合いの先輩に保険証のコピーをもらってあたしは成人になっているだけ。


「嘘つかんでいいよ。バラしたりするわけじゃねーから。本当は18くらいだろ?」

「・・・違う・・・17。」

「あんま予想と変わんねーじゃねえか!!」

弱いあたしの前で巨大な人は初めて笑った。

なんか怖いけど・・・優しい。


そして意識がもうろうとする中、ほんの少しだけ話した。


巨大な人の名前は”いっぺい”。

職業DJ&シンガー。



このときはまだ巨大な人・・・”いっぺい”が、将来有望になる人だとは全く思わなかった。
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