GAP-Girl×DJ-
ほんの気晴らしのために連れて行ってあげたのに。
エリちゃんはクラブにハマって自ら彼氏を手放そうとしていた。
「いろんな男に出会いたい」
あたしにとってバカげたことを言いやがったから、あたしは一喝した。
「彼氏がいるだけで十分だと思えバカ!!」
片想いは辛いんだよ!!
特に有名になる人を好きになる辛さ、あんたも味わえよ!!
私事はさすがに言えなかったけど、あたしは何も知らない彼氏が可哀想でたまらなかった。
彼女がクラブでいろんな男と出会ってたら嫌に決まってる。
「エリちゃん、クラブで男遊びはやめよう?そんなつもりで連れて行きたくないよ。」
「そうだよね。エリ、気をつける。彼氏のこと大事にする・・・」
――・・・
そんな約束をしたわりに、エリちゃんはお構いなしに男のメモリを増やしている。
エリちゃんをクラブで放し飼いにすると、少なくとも3人の番号を登録して戻ってくる。
「ふざけるなーっ!!」ということで、別行動を禁止したのだ。
あたしはただ、両想いという環境を無駄にしてほしくなかったんだよ。
クラブは楽しいし良い所だけど、時にそんな当たり前のことが分からなくなる。
エリちゃんを壊したのはあたしでもあるから、あまり悪くは言えないけどね。