GAP-Girl×DJ-
先輩は「やばっ」とでも言いたげな顔だった。
そういう事か・・・
いっちゃんがいるって先輩知ってたんだ・・・。
あたしは先輩を追い越して、フロアの外に出た。
先輩はあたしを追ってきた。
「先輩!ありがとう!!さっきいっちゃんのこと・・・いっぺいさんのこと話したけど、あたし全然平気です!いっぺいさんがD.S.Bに所属してること知らなかったし、是非曲聞きたいです!」
「りさ・・・本当に大丈夫?」
「はい、もちろんです」
あたしたちはまた重いドアを開けて中に入った。
ステージには懐かしいいっちゃんが歌っている。
D.S.Bは5人グループだったけど、中でも一番いっちゃんが目立っていた。
いっちゃんのソロになると歓声がわっと上がる。
その度に先輩はあたしを見た。
平気です、とあたしは笑いかけた。
曲が終わり、MCの時間。
「えー今日はみんなども!我らD.S.Bを組んではや、1年経ちました!」
キャー!
「ここにいる皆!いろんな人のおかげっす!まじでサンキュー!」
ワー!
「新曲の●●●●、作詞はCITY-ACEこといっぺいでーす!」
キャーキャー!!!!
「えーども。たった今紹介承りました、いっぺいです(笑)」
ワハハハハ!!
いっちゃんの声・・・
こんな近いのに遠く感じる。
フロアが狭いのに、近づけない気がする。
いっちゃんはもう手の届かない人なんだろうね。