GAP-Girl×DJ-
「りさ・・・もう少し前にいかない?」
MC中は客は酒を買いに行くのでステージ周りが多少空く。
「・・・はい。」
いっちゃん。
どうかあたしに気付かないで。
うそ・・・どうかあたしに気付いて。
今日のクラブはD.S.Bがほとんど仕切っている。
MCの時間は十分に設けられているようだ。
ステージまで1mもないところに立った。
いっちゃんは目の前だ。
暗めのライトが当たるだけだから、あたしのことは気付いてもらえないかもしれない。
それでもあたしはいっちゃんだけを見つめる。
「ほいじゃ次の曲いきましょかね~」
また歓声とともに客が集まりだした。
あたし達は後ろに押されて一番前にいた。
あ・・・この曲・・・CDに入ってた曲だ。
・・・すごく好きな歌なのに・・・
なぜか今聞きたくない。
なんだか泣けてくる。