GAP-Girl×DJ-
「まじでHIP-HOPの世界牛耳るぞー!!」
「あはははは!!」
「じゃあまた特集組んでやるよ!」
「サンキュ!ヤス」
――・・
楽しい会話。新たないっちゃんの一面。
そっか・・・いっちゃん有名になる人なんだ。
なんていうか、急に胸が痛くなった。
別にいっちゃんはあたしのモノじゃないし、つい最近ある事件(しかも下劣)をきっかけに話しただけだし、まだいっちゃんのことよく知らないし、あたしのこともいっちゃんは知らないし・・・。
そりゃ有名人と関わりがあることは優越感に浸れるかもしれない。
有名っていったって、あくまでもまだメジャーデビューしてるわけじゃないし。
だけど、明らかにあたしといっちゃんには”差”がある。
一般人と将来有望のシンガーだ。
みんなから支持される人、期待されてる人を好きになるのって実はとても大変なことなのかもしれない。
美味しいご飯をたべながら、あたしは一人そんな事を考えていた。
急遽店を出て2時間くらいカラオケに行くことになった。
「いっぺいの歌がプライベートで聴けるりさは幸運だよ!」
ヤス君のセリフがどういう意味か、あたしは直後痛感する。