ある日、突然。


15年前。




妻が盲腸で入院した。










会社を途中で抜け出して、僕は妻が入院している病院へ急いだ。





ベッドに横たわる彼女は笑いながら、


「お腹が痛い」と言っていた。








病室を出て、安心したのか、その場にしゃがみ込んだことを覚えている。











学校から帰宅する娘を迎えに行って、


娘に、カレーを作った。


“美味しくない”と言われた。


その日から、僕は時々自分で夕食を作るようになった。





< 17 / 25 >

この作品をシェア

pagetop