灰色の恋
まぁ、ちょっと早いけど学校行くかな。
ほとんど誰もいない学校。
廊下の窓を開けて太陽を見る
「はぁ―。」
大きく息を吸って深く息を吐いた。
「朝からため息?幸せが逃げるわよ?」
昨日も言ってきた奴がいた
振り向いた先に居たのは神崎じゃなく
桜井春が居た。
「暗い顔して、どうしたの?」
俺の顔を覗きこみ少し切なさそうな顔をした。
桜井の言動に弱い俺。こいつは悪女だ。
「何でもないよ。少し眠いだけ桜井は早いね。」
俺はこんな悪女に弱みは見せたくないし、桜井の質問に答えたくない。
「私は、ちょっと早く起きただけ。朝からやることもないし来たの」
桜井は耳に髪をかけながら言う。
「俺もだよ。」
なんか桜井見てると落ち着かない。
俺は桜井から目を背けた
「そういえば」
「何?」
「佐木塚くんて2-1なのね」
あ、メールで書いたな。桜井は同い年だよな。
「桜井はどこのクラスなんだ?」
「2-5」
2-5か…端同士か。そりゃ顔合わせてないわけだ。