灰色の恋
無意味
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「鶴谷先生ちょっと休憩しませんか?」
「えっ?今いいところじゃない!続き聞きたい―!」
先生は、ジタバタごねる。そう言われても少し疲れた。
昔のことを話すのはいい気分じゃない。
「また、今度聞かせてあげますよ。それに柚那の事が心配だし」
それに、春も。
「柚那ちゃんにぞっこんだね。昔は春ちゃん。ちょっとキミ遊びすぎじゃない?」
先生はにこにこしながらヒューヒューと俺にヤジをぶつける。
それを無視して部屋を出た。
「はぁ―。」
頭が痛い。
「ため息。幸せが逃げるわよ?懐かしいよねこの言葉」
前に居たのは昔と変わらない大人っぽさを持つ春だった。
はぁ―。と春もため息をする。
「今は私の為にある言葉なのかも。」
「そうかもな。」
苦笑して切なさそうな顔をする春。
「柚那ちゃんに嘘ついちゃった。」
「どんな?」
「柚那ちゃんが感情なくした時。海吏が柚那ちゃんを捨てて私と付き合ってたって…」
「……………。」
「何も言わないのね。」
言わないんじゃなくて言えねぇんだよ。
「ねぇ、海吏。私達って終わったんだよね?」
まだ顔を切なそうにする春。
「その顔、やめろよ。イラつく」