わたしの『じょそこさん』



いらっしゃいませー

お店のドアを開けると聞こえてくる小さな鐘の音と店員さんの声。


お店に入った私たちを見ると、笑顔になり向かって歩いてきてくれる店員さん。
それは 私の大好きな睦月くん。



「いらっしゃいませ。 お客さま、4名でよろしいですか?」

少しいたずらっぽく微笑みかけてくれる睦月くん。
睦月くんに会えた嬉しさから、自然と顔の力がゆるんでくるの。
私は彼に向かって指を4にしてにっこりしてみた。

「うん。 4名様だよ」




「4月限定のさくらのケーキ、食べた?」

「あ まだ食べてないよ。 あのケーキすごくかわいいよね」

「アレすごいうまかったから オススメ」


少しおしゃべりをしながら席まで案内してもらっていると、後ろから聞こえる3人のひそひそ声。
とっても気になるけど気にしないフリをして案内された席に座る。





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