Dear my Dr.
理由
どんな顔して玄関をあけようか…
そんなことを考えながら、マンションのエントランスに入る。
出た時と何も変わらないロビー。
大理石の床にヒールの音が響いた。
そこに、よく響く、彼の声。
「……美波っ!」
向こう側からやってくる悠ちゃん。
まるで、迷子の子供を見つけた親みたいな顔をしてる。
「よかった…帰ってきてくれて…」
私、まだ怒ってるんだけど…。
そんな私の想いも知らず、安堵した表情を浮かべている。
口もきかずに、そのまま素通りしようかと思ったのに、先回りしてエレベーターのボタンを押されてしまった。
エレベーターを待っている間、何て話そうか、迷っていた。
なのに、突然私の足元を見て言う。
「美波、足ケガしてんじゃない!?」
普段人の頭を切ってるお医者さんなのに…その大げさな反応にビックリ。
「…ただの靴ずれだよ」
「ダメだよ、痛いでしょ?」
「大丈夫だって…」
「おんぶしてあげよっか?」
「いらないよっ」
恥ずかしくなって、思わず赤くなってしまう。
もう……
そもそも何で怒ってたのかも忘れちゃうじゃないの!?
エレベーターが来て、ドアを押さえててくれる悠ちゃんの後から乗り込んだ。
そんなことを考えながら、マンションのエントランスに入る。
出た時と何も変わらないロビー。
大理石の床にヒールの音が響いた。
そこに、よく響く、彼の声。
「……美波っ!」
向こう側からやってくる悠ちゃん。
まるで、迷子の子供を見つけた親みたいな顔をしてる。
「よかった…帰ってきてくれて…」
私、まだ怒ってるんだけど…。
そんな私の想いも知らず、安堵した表情を浮かべている。
口もきかずに、そのまま素通りしようかと思ったのに、先回りしてエレベーターのボタンを押されてしまった。
エレベーターを待っている間、何て話そうか、迷っていた。
なのに、突然私の足元を見て言う。
「美波、足ケガしてんじゃない!?」
普段人の頭を切ってるお医者さんなのに…その大げさな反応にビックリ。
「…ただの靴ずれだよ」
「ダメだよ、痛いでしょ?」
「大丈夫だって…」
「おんぶしてあげよっか?」
「いらないよっ」
恥ずかしくなって、思わず赤くなってしまう。
もう……
そもそも何で怒ってたのかも忘れちゃうじゃないの!?
エレベーターが来て、ドアを押さえててくれる悠ちゃんの後から乗り込んだ。