Dear my Dr.
悠ちゃんは首をかしげて言う。

「じゃあ、逆に聞くけど、美波は僕に隠してることない?」

一瞬ポカンとして考えた。

そして気付く。

「…何もない、よ」

「ふーん…」

「……」

「まあいいや。今回は許してあげるけど、次はダメだからね?」

それって、やっぱりバレてた?

ズルしてお兄ちゃんにお薬を処方してもらったこと…

でも、なんでバレてるの!?

鈍感そうに見えて、実は鋭いとか?

恐るべし…!!

「そんなウソをつく美波も可愛いよ」

笑って許してくれるところ、ホントに穏やかだなって思うよ。

「すっかり冷めちゃったね」

「あ、晩ごはん!」

「それとも、仲直りが先?」

「…え、どういうことっ…」

聞くまでもなく、ちょっと手荒なキスが降ってきた。

もう、逃げられない。

心も体も、私の全てはもう、悠ちゃんのものになってしまってるから。

< 112 / 120 >

この作品をシェア

pagetop