Dear my Dr.
コツッと悠ちゃんの足音。
ちょっと改まって、座ったまま私の方に体を向ける。
「今日はありがとう」
なんで急にお礼を言われるのか、ちょっとわからなくて、首をかしげた。
「かわいくて、気立てが良くて、育ちの良い妻でいてくれて。みんな美波のこと褒めてたよ。“いい奥さん貰ったね”って」
改めて言われると照れる。
「本性はどうかわかんないよ?」
謙遜してそう言ったら、悠ちゃんは笑いながら言った。
「そうだな。怖がりで、ちょっと子供っぽくて、割と大ざっぱな妻だけど、ね?」
ってさ。
いいもん。
冷えたシャンパンを、またひとくち、ゆっくりと喉に流し込んだ。
「悠ちゃんだって、そうじゃない?ちゃんとお付き合い始めた最初の頃は、超がつくくらい真面目なお医者さんで、イジワルな冗談言う人だとは思ってなかったよ」
反撃開始っ。
だけど、悠ちゃんは動じない。
「うん、そうだよね」
って。
まるで低反発の枕みたいに、ふわっと受け止めるんだ。
かわすでもなく。
包み込むように。
そんな独特の雰囲気に、あっという間に引きこまれてしまう。
もう何も言えないじゃない?
「なに悔しそうな顔してんの?」
「…悠ちゃんはズルイよね」
「どうして」
「なんか、余裕があるっていうか…いつも一枚上手をとるんだもん」
「美波もとってみたら?」
だから、そういうところだよっ!
敵わないなぁ。
ちょっと改まって、座ったまま私の方に体を向ける。
「今日はありがとう」
なんで急にお礼を言われるのか、ちょっとわからなくて、首をかしげた。
「かわいくて、気立てが良くて、育ちの良い妻でいてくれて。みんな美波のこと褒めてたよ。“いい奥さん貰ったね”って」
改めて言われると照れる。
「本性はどうかわかんないよ?」
謙遜してそう言ったら、悠ちゃんは笑いながら言った。
「そうだな。怖がりで、ちょっと子供っぽくて、割と大ざっぱな妻だけど、ね?」
ってさ。
いいもん。
冷えたシャンパンを、またひとくち、ゆっくりと喉に流し込んだ。
「悠ちゃんだって、そうじゃない?ちゃんとお付き合い始めた最初の頃は、超がつくくらい真面目なお医者さんで、イジワルな冗談言う人だとは思ってなかったよ」
反撃開始っ。
だけど、悠ちゃんは動じない。
「うん、そうだよね」
って。
まるで低反発の枕みたいに、ふわっと受け止めるんだ。
かわすでもなく。
包み込むように。
そんな独特の雰囲気に、あっという間に引きこまれてしまう。
もう何も言えないじゃない?
「なに悔しそうな顔してんの?」
「…悠ちゃんはズルイよね」
「どうして」
「なんか、余裕があるっていうか…いつも一枚上手をとるんだもん」
「美波もとってみたら?」
だから、そういうところだよっ!
敵わないなぁ。