Dear my Dr.
私も朝は弱いほうだけど、意外にも、悠ちゃんも弱い人だった。

一緒に住んでなきゃわからない。

いや、朝帰りをしたことがなかったような、健全なお付き合いだったからか。

３０分後、ようやく起きてきた悠ちゃんがリビングにやってくる。

「よかった…休みで。遅刻かと思った」

やっぱりちょっと寝ぼけてるのか。

かわいい。

思わず笑っちゃう。





仮住まい。

そう言ったけど、実際は、ちゃんとしたマンションを借りた。

家具付きの賃貸マンション。

といっても、週２回のルーム清掃、リネン交換までしてくれる。

専属のコンシェルジュまでいる。

半分ホテルみたいなものだ。

２カ月だけとはいえ、贅沢しすぎじゃないの？

そう言ったら、悠ちゃんは言う。

「美波のご両親の手前、これくらいはしないとね？」

ある程度の見栄は必要なのかな。





住み始めて１週間。

やっと、少し慣れた。

無事に寿退社して、私は専業主婦になった。

お料理は苦手じゃないから、昼間から手の込んだ料理を作れることが嬉しい。

お母さん直伝のレシピが役に立つ。

悠ちゃんが“おいしい”と言ってくれるだけで、私は幸せだ。
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