全て”すき…”から始まった…。

 亜美は、本当は、遠くまで来てくれた亮に…

すごく嬉しかった…。

本当は、今までの事も、今からの事も全部、

放り出して、亮に抱きつきたかった。

でも、……。

亜美にだって、少しくらいのプライドと、

それに…なぜか…受け入れられなかった…。

今の亮は、昔と違って見えた。

昔は、自分の夢、舞台に立つ事を、夢見ていて、

そんな希望を持った亮が、好きだった。

さっき見た亮は、打ちひしがれて、希望も全て、

無くしてる様に、見えた。

自分のとった行動が、あんなに、亮を苦しめていると思うと、

亜美は、辛かった…。

子供を産んだ時点で、亮の事は、あきらめたのだ。

生む前は、産んだら、亮が、自分のところに

来てくれるかも?という計算があった。

でも、実際産んでみたら、それだけで、

もうよくなってしまったのだ。

亮を取り戻す為に、子供を利用したくなかった。

そういうの抜きで、本当は、一緒にいたかった…。
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