全て”すき…”から始まった…。

 亮は、亜美に拒否されてから、

沖縄のホテルに、しばらく滞在する事にした。

いろいろな事を考えた。

ただ、わかっているのは、自分が、二人の女性を

傷つけたという現実だった。

カオリの事も、気になっていた。

でも、中途半端な事は、もうできない…。

カオリの事も、すきだったのだ。

ただ、カオリと知り合う前に、すでに、

亜美への感情もあった。

亜美には、優しい、頼れるお兄ちゃんという

仮面をつけなくてはいけなかった。

自分が、勝手に思い込んでいただけかも

しれないが…。

現に、亜美の方が、自分よりはるかに、

しっかりしている。

小さな頃から、そんなような所は、あったのだ。

”なんで、俺は、亜美の気持ちも知ってて、

 自分の気持ちにも、気付いてて、

 亜美から、にげたんだろう?”

今さらではあるが、そんな事が、頭をぐるぐる回って

いた。

”これ以上、誰も、傷つけたくない…”
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