全て”すき…”から始まった…。
 「パパ、ただいま~」

カオリは、父親を心配させたくなく、わざと明るく

見せていた。

実家に戻ってから、2週間程過ぎていた。

自分一人になると、ひどく落ち込むが、

実家に戻って来たのは、正解だった。

相変わらず、父親は、可愛がってくれる。


 「おかえり。カオリ、手紙来てたよ、

 亮さんから。」


 「えっ?本当?」

カオリは、父親のその言葉にどきっとした。

亮の事を、忘れられなかった。

離婚届も、まだ、出していない…。


 ”カオリ、元気にしてますか?

俺は、今、大阪の方で、働いています。

カオリは、実家に戻ってるかな?

少し、心配しています。

こういう所が、俺のいけないところなのかな?

何も、してあげられないのに、こうゆう事言ってしまう

ところが…。ごめん……。

カオリに伝えたい事が、あったから。

前に、カオリ、お母さんの事で、悩んでたでしょ?

俺、会った方がいいと思う。

カオリの中で、不安な事もあるんだろうけど、

カオリは、本当は、会いたいんだと思う。

聞きたい事もあると思うし…。

こんな、中途半端な俺が言うのも、変だけど、

やっぱり、向き合った方がいいと思う。

…失敗が多い、俺だから、余計にそう思うのかな…。


カオリの幸せを願ってるよ。

離婚届は、カオリの気持ちに整理がついた時に…。

お節介して、ごめん。”





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