全て”すき…”から始まった…。
 今日は、カオリの誕生日だった。

”ピンポーン”


 「カオリ、花束届いたよ!」

カオリの父親が、そう言って、花束を抱えてきた。

 「おかしいね、さっき、ママからの花束は、

 届いてるし…誰?」


 「自分で、見なさい。」

そういって、父親は、カオリに花束を

渡した。

 「亮……。」

その花束は、亮からだった。

カオリは、自分が、動揺するのが、わかった。

その動揺を、振り払う為に、

決心した事を、父親に話しだした。

 「パパ、私…目標が欲しいの。最終的には、

 パパと同じ、建築の勉強をしたいの。

 それでね、いろいろ資料を読んでたの。

 そうしたら、今は、色彩に関する知識が、

 必要なんだって。それで、初めに、

 色彩の勉強をしようと思うの。色彩検定も

 受けてみる。パパ、どう思う?」


 「うん、いいと思うよ。きっと、そうして

 頑張って行く事が、今からのカオリの

 エネルギーになると思うよ。パパは、

 大賛成。」


 カオリの父親は、頷きながらそう言った。

 「うん。」

 カオリも父親にそう言われて、嬉しかった。

 「さ~、食べよう!」

 テーブルの上には、父親の作った料理が

 並んでいた。


 カオリの誕生日のお祝いに、父親は、ご馳走を

作っていた。

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