全て”すき…”から始まった…。
 「ただいま~。」
 
 カオリが、玄関のドアを開けるとすぐに、

父親が、飛んできた。




 「カオリ!!!今、病院から、電話があって…。

 亮さんが、事故に…。病院まで、送ってくから、

 行こう。それから……。とにかく、病院まで

 送るから、後は、カオリが、自分で、考えて…。

 大丈夫か?」


 カオリの父親が、いつもと違う真剣な顔で、そう言った。



 「うそ!…亮が…事故…、大丈夫なの…生きてるの?

 でも、私……。」

 

 カオリは、突然の事に、気が動転した。

 それに、ずっと、離れている自分が行っていいのか…

 迷っている…。放心状態で、立ったままのカオリを見て、

 父親が、


 「行かなければ、パパにも、わからないんだ…。

 カオリ、しっかりするんだ、とにかく、行こう。」

 


 「…うん……わかった…。」

 それから二人は、車に乗り込んだ。

 カオリの頭の中で、亜美さんの事が、

 チラッと、浮かんだ。


 

 カオリは、車に乗ってから、優美に電話をかけた。

 「優美、非常事態!亮が…事故にあって…。

 それで、篤司の携帯わかる?

 亜美さんに…連絡とりたいの…どんな状態か

 わからないけど…、連絡…。」


 「カオリ、わかったよ!私が、篤司に連絡する。

 それで、篤司から亜美さんに、連絡とってもらう。
 
 病院、教えて!」


 優美は、この事態をすぐに理解し、

協力してくれると言った。


 カオリは、亮が無事である事を、車の中で、

祈っていた……。


よくない想像が、カオリの頭をよぎり、

涙が止まらなかった……。 

 
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