全て”すき…”から始まった…。
 カオリは、あの小さな女の子が、

亮の涙を拭き始めた時に、

はっきり思ったのだ。

”もう、いい。”と…。

終わらせようと、思ったのだ。

この、中途半端な関係は、誰の事も、

幸せに出来ないから……。

ずっと、亮の事で、前に進めない自分だった……。

やっと、進める…。

そんな風に考えながらも、カオリの

涙は、止まろうとしなかった。

それに、今までの二人の思い出が、次から次へと、

頭の中に浮かんできた。

本当に、もう、別々の人生を、歩いていくんだ。

もう、係われないんだ……。

自分で決めたんだ、これでいいんだ。

カオリは、関われない事の辛さを、改めて、

感じていた。

でも、後戻りしたくはない。

前に進む事を、決めたのだ。
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