全て”すき…”から始まった…。
 カオリが、離婚届けを出した後の

最初の感想。簡単な事だ…と、思った。

でも、この手続きをした事で、亮と他人になるのだ。

この事実は、かなり寂しい。



 心の中の悲しみなど、そう簡単に、無くなりはしない…。

判を押すように、はい、これで、おしまい。

そんな風に、心は、ついていけない。

だが、この決断をした事に、カオリは、

後悔は、していない。


 ”この数年、亮をすきになってから、

いろいろな事が、あった。

楽しい事も、悲しい事も、いっぱいあった。

結果的に、別れる事になったけど……。

亮は、たくさんの事を、私に、教えてくれた。

だから、もう少し、時間が経ったら、

多分、ありがとうって、思うと思う。”


 カオリは、亮と出会い、そして、別れ、

又一つ、今、成長しようとしていた。

 人は、自分のどこかに、必ず前向きな自分が、

眠っている。

その自分に、素直になって、いいと思う。

違うと、思ったら、道を、変えればいいと思う。

さまよってるうちに、眠ってた前向きな自分と、

出会える日が来るから…。

カオリも、そんな自分を、みつけたのであろう…。








          



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