全て”すき…”から始まった…。

 「カオリ、何ぼっ~としてるの!聞いてる?

私の話し。」

優美のその言葉で、現実に戻された。

昨日、パパから、久しぶりに言われた言葉を

考えていた。

 ”ママに会ってみないか?”

 ”会いたくないけど”

そう答えたものの、気になっていた。


 「ごめ~ん、聞いてなかった。で、なんの話しだった?」


もっ~!といつものように、ふくれっ面になりながら、

優美は、話しを続けた。


 「浩太から、付き合おうって…、言われたの。」

 「え~!本当に?よかった、よかったね。」

私は、”告白しなよ”と言いながらも、こんなに早く

進展するとは思わず、びっくりした。

 「ねぇ、浩太のどこが好きなの?」

 「えっ?わかんない、どこなのかな~?

 ん~、がさつなんだけど、なんか、優しいんだって、

 そういうとこかな~?あんまり、わかんない!

 あっ、顔は好き、かっこいいでしょ?」

優美は、そう言う。


 「えっ~かっこいいかな~?」

私のその言葉に、優美は少し機嫌が悪い。

この時、好みとは、人それぞれなんだな~と

私は、思った。だって、浩太をかっこいいとは、

私は、思わないし。

ただ、優美と、好みが違ってて、よかった。

同じ人を好きになったら、しんどいし。

そういう事って、よくあるらしいし…。

私は、どんな人が、好きなんだろう?

ちょっと、考えてみた。
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