全て”すき…”から始まった…。

 私は、神秘的な人が、いい。

きれいなものが好きだから、きれいな顔の人。

あんまり、濃すぎない顔の人がいいな。

どんな性格の人が、好きなんだろう?

ありきたりだけど、優しい人。

やっぱり、よくわからない…。


「カオリ、ご飯食べよう。」

リビングの方で、パパが呼んでる。

パパは、なぜか、料理が上手い。

若い頃、習っていた事もあるらしい。

でも、パパの仕事は、建築士。

人生、どうなるんだかわからないな、なんて思ったりする。


 「いただきま~す!」

 「ねぇ、パパ、私、アルバイトする事にした。」

 「えっ~!アルバイト?お小遣い足りないかな?」

 「そうじゃなくって、アルバイトがしたいの。」

 「…なんのアルバイト?」

パパは、あまり賛成ではないみたい。


 「うどん屋さんなの、時給850円で、安いけど、

 やってみたいの。」

 「うどん屋さんなの?カオリのイメージとまた随分

 違うんだね、駄目って言っても、やるよね?」

 「うん、もう決めてきたから。ごめんね。」


 「しょうがないな~。これからは、決める前に相談

 しなさいよ。」


 「うん、わかった、ありがとう、パパ。」


 普段、感動の少ない私も、

新しい事には、ドキドキする。

この新鮮な感情が、好き。

 

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