全て”すき…”から始まった…。
「もう!カオリは、いつもそうなんだから!」
優美が、ちょっと怒ってる。
そう、私は、団体行動が、好きじゃない。
個人主義。
中学の三年間で、出来た友達は、優美だけ。
優美一人いれば、それでよかった。
不思議なのは、どうして、優美が、
私と一緒にいるのか?
前に一度だけ、聞いた事がある。
優美の答えは、”友達だから”
当たり前すぎる答えで、それ以上聞くのは、
やめた。
私は、自分の事を、無機質な人間だと思う。
卒業式…。これといった特別な思い出は
ない。
特別に嫌な事があった訳でもない。
人生、こんなものだと思っていた。
平凡で、つまらないまま、時間だけ過ぎて、
そうして、大人になっていく。
なにも変わらないまま…。
その頃は、本当に、
そう思っていたんだ。
でも、違った。
この頃の私には、想像ができなかったけど…。