全て”すき…”から始まった…。
「おはようございます」
夕方なのに、”おはようございます”?と
思いながら、制服を持って、着替えに行った。
まだ、”来てないみたい”店の中を確認して、
少しほっとする。
私のバイトの時間は、5時から8時くらいまで。
お店が忙しい時は、9時までの延長ありと
決まっていた。
今のところお店は、暇っぽい。
6時位から忙しくなるらしい。
ガラッガラッ、
「おはようございます」
「!きた!」
心臓が、ドキッとした。
”カオリ、おちつけ!”私は、頭の中で
そう思った。
「安藤さん、おはよう、今日は、今から最初に来たお客さんに
水とおしぼり、持っていってもらうね。やらないと慣れない
からね。」
木下 亮という彼は、私にそう言った。
入って来て、いきなりこっちに向かって歩いて
来て、おはよう、本当、心臓止まるかと思った。
私は、返事を忘れ、彼を見ていた。
「安藤さん、…いちお働く気はあるんだよね?」
彼は、真っ直ぐな目で、こっちを見ていた。
やばい!怒らせたかも?焦った…。
「はっ、はい、そうでした、働きにきてるんでした。」
あっ、言い方変だ!そうじゃなくって…。
私は、そう言ってしまった自分の口を
抑えていた。
「安藤さんって、ちょっと変わってるね。」
今度は、笑いながらそう言われた。
私は、恥ずかしくって、彼の方が向けず、
下を向いていた。
多分、顔、赤くなっていたと思う…。