全て”すき…”から始まった…。
 「カオリ、どうなの?その後、バイトの彼とは?」

優美が、今日は、家に来ている。

 「うん…、別に…、なんか、やたら緊張しまくりで、

 失敗ばかりしてる、多分、変な奴だと思われてる…。」


 「わかるよ、妙に緊張するよね、いつもの

 自分じゃないみたいな、そんな感じでしょ?」


 「そう、そんな感じ、なんか、ぎこちなくなるんだって。」

 ”なにするのも!”と二人で同時に言ってしまい

 笑ってしまった。

 「それで、他の人とはうまくいってるの?名前とか覚えた?」

 「他の人?名前?店長の名前も、パートのおばさんの名前も

 知らない…。」

 「え~っ、店長の名前も知らないの?」

 優美は、大きな声でそう言った。

 「だって、そこまでの余裕なんてないよ、

 優美に言われて、今初めて、気付いたんだもん。」

 「重症だね、バイトの彼の歳とかは聞いたの?」

 「えっ、無理無理、まだ、普通に会話できてないし…。」

 「まっ、そのうち大丈夫になるよ!」

 優美は、そう言って、”じゃあ、帰るね”と言い、あっさり帰っていった。

 玄関の所で、高校のクラス、同じになるといいね、

 という言葉を残して…。


 ”バイバイ”と言った後、

”はぁ~”と、思わずため息がでた。
< 24 / 118 >

この作品をシェア

pagetop