全て”すき…”から始まった…。

 「本当に、卒業したんだね。」

 優美は、卒業式で、ジーンときたらしく

 涙目で、私にそう言う。

 ”うん…”としか答える言葉がみつからない。

 だって、私は、優美みたいに、ジーンときてないもん。

 そんな、私の返事に、

「カオリは、冷たいなー。」

 なんて言ってる。

 優美の攻撃が始まった。

「高校にいったら、新しい友達が出来て、

 離れ離れになるかもしれないし、

それに、彼氏とかできたら…とにかく、

今までみたいに、いかなくなるよ!

いったい明日から、私は、今日の事を誰に

話したりすればいいの!」

優美は、一度にそう言った。

そう、可愛い顔して、時々、ヒステリーになる。

私の口から出た言葉は、”大げさじゃない?”

だって、同じ高校に行くんだし、家だって、

歩いて10分の距離。

話そうと思えば、携帯もあるし、家まで行ってもいいし。

なんの問題もない。

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