全て”すき…”から始まった…。

「亜美は、そいつの事、好きなの?」

俺は、この質問は怖かったが、してみた。

 「…好き…じゃないと思う…。」

俺は、ほっとした。もし、好きなんて言われたら、

説得のしようがない。

 「だったら、断ればいいでしょ?」

 「…亮兄、なんか冷たい…。他の学校の高校生なの。

 一目ぼれ…なんだって。」

 「うん、だから?」

 亜美の言いたい事がよくわからない。

 「そんな風に思ってくれるのが、嬉しかったの。

 でも、亜美、好きな人、他にいるし…」

 「うん、でも、断った方がいいと思うよ。えっ?

 亜美好きな人いるの?」

 俺は、少し焦った。子供だとばかり思っていたのに…。

 確かに、最近の亜美は、俺も時々、どきっとするくらい

 成長している。

 亜美は、俺にとって、可愛い妹みたいな存在。

 ちょっとの好きで、手をだしてもらいたくない。

 それにしても、亜美の好きな人って、誰なんだ?!

 気になる。

 いい奴ならいいけど、ひどい男なんて、いくらでもいる…。
< 35 / 118 >

この作品をシェア

pagetop