全て”すき…”から始まった…。
 進歩がない…。

亮さんとの事…。

バイトで、毎日顔を合わせるけど、

たいした会話はしてない…。

 パートの白石さんが、最近よく話しを

してくれるおかげで、亮さんの年齢がわかったくらい。

私より4歳年上だという事。

なんとなくだけど、最近亮さんの機嫌があまり

よくない…。


 「安藤さん、俺も帰るから、たまには、一緒に帰ろう。」

 「?えっ、はい!」

 亮さんに、誘われて、私は、びっくりした。

 嬉しい。

 私は、急いで、帰り支度を始めた。

 ドアを開けると、亮さんが待っていた。

 「行こうか」

 亮さんのあの笑顔に私は、弱い。

 亮さんと並んで歩いてるなんて、それだけで、

 心臓が、バクバクしてる。

 どきどきなんて、通り越してる。

 「この時間は、寒いよね。」

 あり得ない事がおこった。亮さんが、手を繋いできた。

 「この方が暖かいでしょ?」

 笑顔でそう言う…。

 なんかびっくりして、手をひっこめた。

 亮さんの目もびっくりしてる。

 「お疲れ様でした。」

 私は、そう言って、その場から逃げた。

 後ろから、亮さんの声が、

 「今度、デートしようよ!」

 はっきり、そう聞こえた。

 ”なに?”一体、どうなってるの?

……なんで、逃げたのかな…。

 一度も、勇気をだして、向き合うとかしてない…。

 ”安藤カオリしっかりするんだ”

 素直な自分になりたい…。

< 40 / 118 >

この作品をシェア

pagetop