全て”すき…”から始まった…。

 帰りの車の中、何故か、亜美の機嫌が悪い。

 
 「亮兄、カオリとかいう女の事、好きなの!?」

 「はあっ?なに、突然?」

 「好きなんでしょ?」

 「いや、普通だけど。」

 「なに、普通って、なによ!自分の気持ちも

 わからないの!?」

 「何に、亜美は、怒ってるの?」

 「!!!全部よ!全部、鈍感な亮兄に怒ってるの!」

 それっきり、亜美は、喋らなくなった。

 俺だって、亜美の気持ちには、気付いてる。

 でも、妹として見てきた亜美を、今さら、一人の女性として

 見る事には、抵抗がある。

 決して、嫌いではない、むしろ、タイプだ。

 でも、どうしても、そういう対象には、

 できないんだ…。

 俺だって、困ってる…。このままでは、

 亜美にとってもよくない事ぐらい、

 何となくわかってる…。

 
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