全て”すき…”から始まった…。
 「なにやってるんですか!!!」

一人の男が…カオリをおさえつけようと

している男を、跳ね飛ばした。

”どこかで、聞いた事のある声”

薄れそうな意識の中、”カオリさん、しっかりしてください!”

篤司だった…。

あんないつも敬語で、けんかなんて強そうも無いのに、

”ありえない”一人で、二人の男を倒してしまった…。

その様子に、亜美も、びっくりしている…。

いろいろな意味で……。

男二人は、亜美を置いて、逃げていってしまった。

篤司が、亜美の方に歩いて行った。

 「亜美さん、自分のしてる事わかりますか?

 こういうのよくないですよ!それに、

 あんな男達とつるむのも、よくないです。

 あいつらは、自分の欲望の為なら、何でも

 しますよ。亜美さん自身が、引っ掻き回されますよ!

 亮さんもこんな事しったら、悲しむし、怒りますよ!」

亜美は、なにも言わず、下を向いていた。

今度は、カオリの方に歩いていった。

 「どうして、大きな声で、助けを呼ばないのですか!
 
 大事な事ですよ!!!」

 「…ごめん…ありがとう……。」

 そう、なぜだかわからないけど、

 誰かに、頼ると言う事が、苦手だった…。

頼る事が、罪のように感じる自分がどこかにいた…。

どうして…誰かに頼るという事ができないのか、

カオリ自身わからなかった…。

安心したからか、恐怖からなのか、

カオリは、泣いていた…。

篤司に抱きかかえられるようにして、カオリは、家に帰った。

亜美は一人、そこから動けず立っていた…。
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