全て”すき…”から始まった…。
「亜美、何てことしたんだ!どうして、
そんな事したんだ!!!」
亮は、初めて亜美に真剣に、怒った。
カオリの友達、優美からの突然の電話で、全てを
知らされたのだ。
亜美が、本当にそんな事をしたのか、事実を知りたくて、
自分の部屋に呼んだのだった。
亜美は、なかなか何も話さず、亮の事を、ずっと
睨んでいる。
「本当に亜美、そんな事したのか?」
今度は、優しく聞いてみた。
長い沈黙の後、
亜美の目から、大粒の涙がこぼれた…。
「亜美ね…、亜美…、亮兄の事が…好き…
大好きなの、ずっと、ずっと好きだったの…、
だから、だから、あのカオリさんが、邪魔だったの…。こわい…自分がこわい…
…こわいよ…亮兄の事、好きすぎて、どんなひどい事も
してしまう自分が、こわいよ!……。」
そう言って、亜美は、泣き崩れてしまった…。
そんな亜美を、亮は、ただ、抱きしめていた。
抱きしめる事しか、出来なかった…。