全て”すき…”から始まった…。

 亜美は、長い間、亮の腕の中で、

泣いていた。亮は、責任を感じていた。

こんな事が、おきたのも自分の責任だと…。

 
 「亮兄、あのね…、亜美の事、好きにはなってもらえないね、

 一番近くにいて、一番遠いの…。届く距離にいるのに、

 届かない…優しいけど、一番欲しい物は、くれない…。

 亜美だって、わかってるんだ…。でも、好きなの…。

 亜美、亮兄との思い出が欲しい…。」



 「思い出って??」

 亮が、亜美の髪を優しく撫でながら、聞いた。


 亜美は、亮から離れ、服を脱ぎ始めた…。


 「なにやってるの!」

 亮は、慌てた……。


 「亮兄…ちゃんと見て、亜美…子供のままじゃないんだよ、

 亮兄に抱かれたいの……一度でいいの…ていうか、

 亮兄は、亜美の事…女として、みれないでしょ?

 でも、一度だけ、無理して、亜美を女として見て…。

 そうしたら、もう、あんなひどい事しないから…。

 一度でいいんだ……。」


 そう言って、亜美は、亮の方に、

近づいていった。


 
 亮は、その状況に、動けずにいた。

ありえない今の状況と

亜美のなにもまとわない姿に、

見惚れていた。



 
< 52 / 118 >

この作品をシェア

pagetop