全て”すき…”から始まった…。

 「おはようございます!」

カオリは、深呼吸をしてから、バイトのうどん屋に

入っていった。

あの事件があってから、カオリなりにいろいろ

考えた。

それで、結論から言えば、もっと、強い精神になりたいと

強く思ったのだった。

亜美のやり方は、卑怯すぎて、嫌いだったが、

あの恐ろしいほど、自分の気持ちに

真っ直ぐなのは、羨ましかった。

自分は、いつも傷つくのが嫌で、素直な自分から

逃げている…。

それを、カオリは、克服したかった。

だから、強くなりたかった…。

それで、まず、バイトも一生懸命やろうと

思った。

人との係わりも、苦手だけど、いや、

苦手だから、頑張ってみようと思った。

変わりたかった…。

表面だけ取り繕う自分から…。

かっこ悪くていいから、素直な自分で、

人と係わりたかった…。

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