全て”すき…”から始まった…。
「……。」
カオリは、亮に謝られたのが、
嫌な気がした。
この前の事は、亜美本人が、謝る事であって、
亮が謝るのは、腑に落ちない。
逆に、気持ちを引っ掻き回される気がした。
「…やっぱり、怒ってるよね……。」
亮は、カオリの怒りの原因をわかってない…。
「あの~、亮さんに、謝れても…、何か、
違う感じが…します……。」
「ん?、あぁ、そうだね、でも、亜美は、
俺の妹みたいなものだし、兄がわりとしては…。」
「……。」
カオリは、小さなため息をついた。
「亮さん、亜美さんの気持ちに、鈍感すぎます!!
亮さんが、はっきりしないのもよくないんでは
ないですか?本当に、妹以上の感情は
ないんですか?」
カオリは、胸の中にある気持ちの一部を、
一度にはきだした。
「…。ない。妹以上の感情は、ない。
確かに、必要以上に可愛がり過ぎた
ところは、あったかもしれないけど、
俺としては、妹に対する愛情みたいなものだ。」
「ふぅ~、よかった…。」
「えっ?」
亮は、カオリの顔を、真っ直ぐ見ていた。
カオリも、下ばかりみていた視線を、
亮の方に移した。