全て”すき…”から始まった…。
カオリの目から、涙が溢れていた。
今、亮から、”すきだ”と言われ、
涙が、止まらなかった。
「大切にするから。」
亮は、そう言いながら、カオリの
涙を、優しく拭いた。
「…うん…。」
カオリは、しゃくりあげている。
「呼び方、”亮”でいいよ。
俺も、カオリって呼ぶから。
呼んでみて。」
「えっ?今?」
「そう、練習、練習、最初って、
恥ずかしくて、呼びにくいでしょ?
だから、慣れた方がいいでしょ。」
「うん……。」
そう言われても、なかなかカオリは、
呼べずにいた。
「俺、カオリのそういうとこ、結構好き。だけど、大事な事だから。
口にだしたら、どうって事ないって。」
さりげなく亮は、カオリと既に、呼び捨てにしている。
カオリは、深呼吸をした…。
「…亮。」