全て”すき…”から始まった…。
 「カオリ、高校生活は、順調?」

 「うん、パパ、順調だよ。」


 「よかった、バイトは?」


 「だいぶ、慣れたよ。」


 「彼氏は?」


 「うん、できた。」


 「えっ~、!!!」


 「もう、パパ、何、聞いてるの?」

カオリは、父親の尋問にひっかかった。

だが、カオリの父親も、娘の返事に、

びっくりしていた。


 「本当に?パパ、ショックだな…、エッチは、

 だめだよ、絶対に!」


 「パパ、何、言ってるの!!そんなんじゃないって!」


 「カオリは、まだ、学生なんだからね!」

 「わかってる、…ねぇ、パパ、

 そう言えば、ママって、再婚してないの?」


 「えっ?…最近、再婚したよ…でも、カオリが

 会いたい時は、いつでも、会えるよ。」


 カオリの父親は、一瞬考えたが、そう言った。


 「…会うつもりはないけど…急に思い出しただけ…。

 パパ、この春巻き食べていい?」

 カオリは、春巻きが大好物だった。

 カオリの父親は、何故か、中華料理も上手だった。


 「食べて、いいよ、カオリの為に、作ったんだから。」


 父親は、そう言った。

 可愛くて、可愛くて仕方のない娘なのだ。
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