全て”すき…”から始まった…。



 亜美の引越しの日だった。

亮の両親も、朝から、手伝いをしていた。


亜美だけ、いつまでも、自分の部屋から、

出てこなかった。だが、そんな最後の抵抗は、

なにになるわけでもなく、真っ赤な目を

したまま、車に乗った。


亮の姿を探していた。


亮も亜美をずっと見つめていた。




 「亮兄……じゃあね、またね、バイバイ!!!」



 「おう、元気でな!たまには、遊びに来いよ!!」





 ”バカ……遠いんだから、遊びになんか来れないよ…。

 ……亮兄のそばにいたかった……”
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