全て”すき…”から始まった…。
 「カオリ、あのね、私、メールがきたの!」

 「はっ?誰から?」

優美の話しは、突然始まった。いつもそんな感じ…。

いきなり、呼び出して、最初の一言目がこの言葉。

ぜんぜん意味が解らないや。

優美は、外見と違いすぎ。

優美の外見は、一言で言ったら、ちっちゃくて、目が大きくて、

可愛い女の子。


話しに夢中になると、その目が、よりいっそう

大きくなる。


 優美の話しは、こういう事。

卒業式の日。

 「浩太、卒業祝いに、なんか頂戴!」

優美が、冗談半分で言う。浩太が、少し

考えた後、

「これ、俺のアドレス。」

そう言って、優美にアドレスの書いた紙切れを

渡す。優美は、思いがけない事に、

何も言わず、受け取る。

 「俺にも、卒業祝い、頂戴よ!優美のアドレスでいいや。」

浩太に、そう言われ、優美は、アドレスを書いて渡す。


 要するに、優美は、浩太とアドレス交換をしたって事。

…たいした事じゃない…。本当は、その時、そう思っていた。


 それで、浩太から、メールがさっき、届いたらしい。


 優美は、嬉しくて、舞い上がってる…女の子って、こういう

ものなんだ…。改めて、そう思った。

 私は、そういう事にうとい。

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