全て”すき…”から始まった…。
カオリはその日、父親に話しがあると
呼ばれた。
内心、亮との付き合い方で、何か言われるのでは?
と、思っていたが、
予想は、外れた。
カオリが、小さい頃に、父親と離婚した
母親の事だった。
今までにも、何度か、話しはあったが、
その度に、断ってきた。
その話しというのは、母親が会いたがってると
いう事。
今日も、またその話しか…と、
カオリは、思った。
カオリは、父親だけいれば、それで充分だと、
本気で、思っていた。
自分は、母親に、捨てられたという感情が、
カオリの心の深い所にあった。