全て”すき…”から始まった…。
「カオリー!遅いよ~!待ちくたびれた!」
優美は、本気とも、冗談ともとれる口調で、そう言っている。
「ごめ~ん、寝すぎちゃって…これでも、
頑張ったんだよ、浩太も篤司もごめん。」
「いえいえ。」
篤司は、そう答え、浩太は、ニッと笑っていた。
日曜日の動物園は、混んでいる。
「優美、話し飛ぶけど、又、パパが、ママに会って
みないか?って言うの。どう思う?」
「カオリ次第かな?カオリが会いたいんだったら、
会った方がいいんじゃない?」
「…あんまり、会いたくない。」
「だったら、辞めれば?でも…本当は、会いたいんじゃないの?」
「……。」
「あれっ?あの人、カオリの彼氏じゃない?」
浩太が、遠くを指指しながら、そう言った。